【獣医師監修】犬の食物アレルギーとは？原因や特徴は？

2025/11/21

愛犬が身体をかゆがって掻く姿を見ると、とても心配になりますよね。皮膚疾患には本当に様々な種類がありますが、食物に対するアレルギー反応が皮膚の痒みの原因となっていることがあります。
本記事では、犬の食物アレルギーの原因や特徴ついて解説します。犬のアレルギーについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

食物アレルギーとは？原因は？

動物には体内に異物(ウイルスや細菌など)が侵入した際、攻撃して排除しようとする免疫が備わっています。この免疫が本来身体に有益なはずの食べ物をアレルゲン(アレルギーの源)として認識してしまい、攻撃、排除しようと過剰反応してしまうことがあり、これを「食物アレルギー」と呼びます。

多くの場合は、特定の食べ物に含まれるタンパク質に反応して起こります。

免疫反応であるため、基本的には初めて食べたものには発症しません。ただ、例外も存在し、たとえば、牛肉と馬肉のようにタンパク質の構造が似通ってる場合、違う食材でもアレルギー反応が起こることがあり、これを交差反応と呼びます。
どのタンパク質が原因になっているかは犬それぞれで異なり、アレルゲンとなる物質を摂取した場合、様々な症状を引き起こしてしまう可能性があるため注意が必要です。

犬の食物アレルギーの特徴

犬の食物アレルギーは様々な犬種で報告がありますが、なりやすい犬種として、ダックスフント、アメリカン・コッカー・スパニエル、パグ、シーズ、フレンチブルドッグ、プードルなどが挙げられます。

主なアレルゲンとしては牛肉、乳製品、小麦、鶏肉、卵などが多いとされています。

症状としては、身体の強い痒み、赤身、フケや脱毛などの皮膚の症状や下痢・嘔吐などの消化器症状が引き起こされるケースが多いです。

皮膚に強い痒みや赤みが見られるアトピー性皮膚炎と症状が似ていますが、季節性がないことが大きな違いとして挙げられます。

食物アレルギーが疑われる場合、どうすればよい？

「うちの子、なにかしらの食物アレルギーかも？」という症状が見られたら、まずはかかりつけの動物病院を受診してみてください。

一口に皮膚が痒くて掻きむしっている、嘔吐や下痢をしている、と言っても食物アレルギー以外が原因となっている場合も多々あります。

基本的な食物アレルギーの診断の流れとしては、まず、皮膚の常在菌が過剰に増えていないか、寄生虫やカビがいないかなどを調べる一般的な皮膚の検査を実施し、他の皮膚疾患との除外診断を行います。

並行して過去の食事歴の聴取や必要に応じて皮膚のアレルギー(血液)検査で疑わしい食品をリストアップし、それらが含まれていないフードを一定期間与え、改善を確認します。その後、実際に食品を食べさせてみて症状の再発を確認し、アレルゲンを特定します。

ただ、上記は症状や獣医師の方針、飼い主さんのご希望などにより、どのように診断、治療されるかはケースバイケースになります。

その後は獣医師の先生と相談しつつ、特定の原材料が使用されていないフードを選んでいくのがよいでしょう。

まとめ

犬の食物アレルギーはヒトの食物アレルギーとは異なり、致死的な症状を引き起こすことはないものの、愛犬が一日中身体を掻きむしって皮膚がボロボロになったり、下痢が続いたり、また、その姿を見るのがとても苦しかったりと、犬と飼い主さん、両方の生活の質を著しく低下させてしまいます。

また、食物アレルギーについて、特定の食品をアレルゲンであると自己判断して、除去している飼い主さんもいらっしゃいますが、実際はそうではなく、問題なく食べられることもしばしばあります。

愛犬の喜ぶ顔を想像しながらフードを選んだり楽しんで食べる姿を見たりすることは犬と暮らすうえでとても大切な時間になるため、ぜひ、どの食事が愛犬にとって最適かは、獣医師の先生とご相談のうえ、選んでいただくことをお勧めします。

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購入をご希望の方は、ぜひかかりつけの動物病院にてお試ししたい旨をお伝えください。