【獣医師監修】犬が咳をする理由とは?病院に連れていくべきかの判断ポイントは?

犬 心臓病

愛犬が咳をしている姿を見ると、とても心配になりますよね。
私たちヒトと同じように食べ物や水を飲んでむせた際などにでる咳は生理現象としてまったく問題ないですが、苦しそうにしている様子が見られたり、長期間続いてしまったりする場合には注意が必要です。
本記事では、犬が咳をする原因や、病院に連れていくかの判断ポイントについて解説します。詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

監修獣医師

川本 紗弓
川本 紗弓
獣医師・ペット栄養管理士

日本大学 生物資源科学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務した経験を経て、毎日の食事が犬猫の健康に大きな影響を与えることに気が付き、栄養学の道に進む。専門は犬猫だが、鳥も大好きで、家族のシニアインコを溺愛。

咳はなぜでるの?犬の咳の特徴は?

咳はなぜでるの?犬の咳の特徴は?

まず、咳とは気道内の異物や溜まった分泌物を排出しようとする身体の防御反応のひとつです。
咳は大きく「乾性の咳」と「湿性の咳」にわけることができ、原因によってどちらかに分類されます。

前者は「カッカッ」という音がする乾いた咳であり、生理的な咳、異物が入り込んだ時や気道に炎症が加わった際などに認められます。後者は「ゲホゲホ」と痰が絡んだような音がする咳であり、気管の中になにかしらの分泌物がある際に見られます。

犬の咳は吐き気を催している様子と似通って見える場合がありますので、どちらか判断がつかないケースは、動画撮影して、獣医師に見せるなどすると、診断の手助けになる場合もあります。

犬が咳をする原因

犬が咳をする原因

犬が咳をする原因は色々とありますが、生理的な咳以外では、以下が代表例として挙げられます。

ケンネルコフ

犬伝染性気管気管支炎とも呼ばれる呼吸器系の感染症で、乾いた咳、くしゃみや鼻水などが症状として現れます。特に子犬や免疫力が低下している犬では重症化してしまう危険性があるため、注意が必要です。

無事に回復しても、ハウスダストなどなんらかの刺激で咳がでてしまう慢性気管支炎に移行してしまうケースもあります。

複数のウイルスや細菌が原因で起こるためすべてを防げるわけではありませんが、混合ワクチンの接種が予防として非常に重要です。

肺炎

肺炎は細菌、ウイルス、アレルギー、食物や液体などが原因となる誤嚥性のものなど原因は多岐にわたりますが、これらがきっかけとなり、肺の組織に炎症が広がってしまった状態を指します。

咳や呼吸が苦しそうな様子がみられ、元気、食欲の低下にも繋がります。重症化すると呼吸困難が進行し、血液中の酸素濃度が下がると、舌や歯茎の色が青紫色になるチアノーゼが見られることもあります。

感染性の肺炎は前述のケンネルコフが悪化することでも引き起こされる場合がありますので、予防のためには、やはり混合ワクチンの接種が有効です。

気管虚脱

空気を体内に送り込む気管は軟骨に守られていますが、何らかの原因により軟骨の形が歪み、結果的に気管が潰れてしまった状態を指します。「ガーガー」にといったアヒル様の咳が特徴で、苦しそうな呼吸が見られることもあります。

明らかな原因は不明ですが、小型犬でよく見られ、肥満の犬や老犬に多いともされています。お散歩時は、気管への負担を配慮して首輪ではなくハーネスの使用が推奨されます。

心臓病

血液を全身に送り出すポンプとして働く心臓に異常が起きた場合に咳が見られる場合があります。

最も多くみられる心臓病である「僧帽弁閉鎖不全症」では、僧帽弁という血液の逆流を防ぐシステムが壊れ、結果的に心臓がポンプとしての役割を果たすことができなくなる、高齢犬に多く見られる疾患です。

初期では心臓の肥大化により気管が圧迫されることにより乾性の咳が見られることが多いですが、進行して肺の中に水が貯まる「肺水腫」になると、湿性の咳が見られることもあります。

心臓病は命に直結する病気でもありますので、定期的な健康診断や、リスク因子(肥満、高血圧など)の排除が重要になります。

異物誤飲、誤食

犬が誤って食べてしまったものが喉や食道に刺さったり詰まったりした場合にも咳をすることがあります。急に咳き込んでしまって誤飲、誤食が疑われる場合はすぐに動物病院を受診しましょう。

食べてしまったものによっては命に関わる場合もあるので、普段から食べてはいけないものが犬が届く範囲にないか、確認しておくようにしましょう。

病院に連れていくかはどうやって判断すればよいの?

病院に連れていくかはどうやって判断すればよいの?

いつも一緒に過ごしているオーナーさんが咳が気になると感じる場合、動物病院に連れていくことをまずはお勧めしますが、緊急なのかそうでないのか、判断が難しい場合もありますよね。

直前の早食いや早飲みなどの明らかな原因があり、一時的な咳であれば、様子を見てもよいでしょう。早食いや早飲みをしてしまう場合は、それらを防ぐようなお皿やボトル変更するなどの対策をして一度様子を見て、改善がなければ、主治医に相談してみると安心です。

数日間咳が続く場合は、やはりなにか原因がある可能性が高いため、はやめに動物病院を受診するようにしましょう。

咳に加えて呼吸が非常に苦しそう、ぐったりしていて動けない、チアノーゼを起こしているなどといった場合は緊急性が高いため、夜間救急でもためらわずに受診することをお勧めします。

まとめ

まとめ

犬の咳は前述のとおり命に関わるケースも多くあり、また、すぐには命に直結しなくても長く続く咳は愛犬とオーナーさんのQOLを著しく下げてしまうことに繋がります。

すべての病気が防げるわけではありませんが、予防接種、定期的な健康診断など、日々できることを行っていくことが大切です。

気管虚脱や心臓病の原因として肥満を前述しましたが、ダイエットが必要な犬では食事療法が有効な場合があります。

サニメド 犬用ウェイトリダクションは体重管理を必要とする犬のため、独自の脂肪酸バランスで低カロリー(256.4kcal/100g)を実現した食事です。

購入をご希望の方は、ぜひかかりつけの動物病院にてお試ししたい旨をお伝えください。

サニメド【犬用】ウェイト リダクション
動物病院専売 療法食 サニメド

SANIMED

犬用 ウェイトリダクション

体重管理を必要とする犬のため、独自の脂肪酸バランスで低カロリーを実現した食事です。