【獣医師監修】犬の逆くしゃみとは?病院に連れて行った方がよいの?

愛犬が突然「グーグー」「フガッ」という音を立てて息を吸い込んで止まっている様子を見て、驚いて心配になったことはありませんか?
もしかすると、それは「逆くしゃみ」と呼ばれる現象が起こっているかもしれません。
本記事では、逆くしゃみについての概要と、病院に連れていくかの判断ポイントについて解説します。詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
犬の逆くしゃみとは?くしゃみとは何が違うの?

犬のくしゃみはホコリや砂などの異物や、花粉などのアレルギー物質等で鼻の粘膜が刺激された際に、鼻粘膜のセンサーが感知し、異物を排除するために脳がくしゃみという反射を引き起こす生理的な反応で、呼気(息を吐く)時に見られます。
一方、逆くしゃみとは喉の奥の粘膜に刺激が加わった際に引き起こされ、強い息の吸い込みを起こす吸気(息を吸う)時の反応であり、くしゃみとは逆の動作になります。
「グーグー」や「フガッ」といった音がする、口を閉じていることが多い、数秒から1分程度ですぐに収まる、などの特徴があります。
犬の逆くしゃみの原因

現時点でははっきりとした原因が解明されているわけではありませんが、以下が代表的なリスクとして考えられています。
- 小型犬や短頭種などの品種である
- 運動後や興奮した状態である
- 首輪などによるきつい首の圧迫
- 花粉やほこりなどの異物の存在
首輪をハーネスにしてみる、環境の整備(空気清浄機の導入など)等はご家庭で予防できる内容になりますので、逆くしゃみでお悩みの方はぜひ一度見直ししてみてください。
病院に連れていくべき?自宅でできることはある?

基本的に逆くしゃみは息苦しさを感じず、治療の必要はないとされています。
水を飲ませてみる、喉を撫でてみるなどご自宅で対処できる方法を試してみて、すぐに収まるかどうか一度様子をみてみましょう。
また、逆くしゃみかどうかの判断が難しい場合は動画を撮影してみて獣医師に見せる、回数を記録するなどしておくと診断の手助けになる場合もありますので、愛犬の様子に心配事がある場合はぜひ試してみてください。
逆くしゃみの頻度が高くなってしまった、くしゃみや咳もしている、元気がないなどの症状が併発している場合は、他の疾患が隠れている可能性があるため、はやめに動物病院を受診するようにしましょう。
似たような音がでる病気に「気管虚脱」というものがあります。
空気を体内に送り込む気管は軟骨に守られていますが、何らかの原因により軟骨の形が歪み、結果的に気管が潰れてしまった状態を指します。「ガーガー」にといったアヒル様の咳が特徴で、口を開けた苦しそうな呼吸が見られ、進行すると命に関わります。
気管虚脱の場合は逆くしゃみのようにすぐに収まらず、長時間続きますので、長くいつもと違う呼吸音が見られる場合は、迷わず動物病院を受診することをおすすめします。
まとめ

犬の逆くしゃみは早急な治療が必要、というものではなく、多くの犬で見られる現象であるため、過剰に心配する必要はありません。
ただ、前述のように他の呼吸器系などの疾患が隠れている場合もあります。
いつもと違う呼吸をしていないか?苦しそうな様子が見られないか?など、日頃から愛犬の様子をしっかり観察していきましょう。