犬の狂犬病ワクチンは接種したほうがよい?接種スケジュールや費用などを解説

春になると、犬オーナーさんの元には、各自治体から狂犬病ワクチンの予防接種の案内が届きますね。日本では狂犬病予防法という法律が定められており、飼育されている犬は生後91日齢以降で1回、その後は年に1回、予防接種が義務付けられています。違反すると、罰金などが課される場合があります。
今回のコラムでは、狂犬病とはなにか?なぜ接種の必要があるのか?費用は?などといったことについて詳しくご説明しますので、お知りになりたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
犬の狂犬病とは?日本での発生はあるの?

狂犬病とは、ウイルス感染症の一種で、犬やヒトを含め、全ての哺乳類に罹患する病気であり、ウイルスが体内に入ってきて、一度症状がでたら、犬やヒトでは100%死亡します。
体内に侵入したウイルスは、神経を通って少しずつ少しずつ脳に向かっていきます。そして、脳でウイルスが繁殖し、発症します。
発症すると、狂犬病と名の通り、狂騒や麻痺などの症状が現れ、一週間程度で死に至ります。
日本では最近だと2020年に海外渡航者が帰国後に発症したケースがありますが、島国という特殊な環境であることもあり、1957年以降、発生は認められておらず、清浄国とされています。
ただ、ヨーロッパやアメリカなどの先進国でも発生は認められており、犬やそれ以外の猫などの検疫対象となっている動物についても輸出入が頻繁に行われ、世界との距離が近くなっている今、発生のリスクはあると考えられるため、ワクチン接種が非常に重要になります。
ワクチンの種類は?副反応はあるの?

日本で使用されているのは、不活化ワクチンと呼ばれる、病原体を死滅させ、免疫を獲得するために必要な物質のみ接種するワクチンになり、永続的に免疫が維持できるものではないため、1年に1回のワクチン接種が必要になります。
狂犬病に限らず、ワクチン接種には一般的に、接種後にアレルギー反応が起きてしまう可能性があります。
症状としては、注射部の腫れ、嘔吐、呼吸困難などがあります。狂犬病ワクチンは比較的安心なワクチンであり、発症の可能性はかなり低いとされていますが、接種当日は体調をいつも以上にしっかりと確認してあげてください。
なお、闘病中である場合や、免疫抑制剤などを投薬している場合など、接種が免除になるケースもあり、その場合は動物病院から「狂犬病予防注射猶予証明書」を発行してもらう必要があります。現在該当するかも、と思われる場合は、主治医の先生にご相談ください。
費用はどの程度かかるの?

動物病院によって異なりますが、3,000~5,000円以内におさまるケースがほとんどです。また、4月~6月の集団接種では、少し費用が安くなる場合が多いようです。
接種後、自治体に申請すると「狂犬病予防注射済票」が交付されます。
ドッグランやペットホテルを利用する際に提示を求められることも多いので、なくさないようにしましょう。
まとめ

狂犬病については、現在は犬オーナーや獣医療関係者以外は日本ではほとんど話題にあがることはありませんが、海外では発生している国も多く、前述のとおり、発生のリスクは今後もあります。
現在の状態を維持していくため、また愛犬を守るためにも、毎年の狂犬病ワクチン接種をしっかりと意識していきましょう。