【獣医師監修】犬の認知症とは?サインや日常でできることは?

愛犬が年齢を重ねると心配事も増えますが、一緒に過ごす時間が長くなることで、ますます可愛く、愛おしい存在になっていきますよね。
そんな愛犬の様子について「最近、いつもとなんだか違うな…。」と感じたことはありませんか?
やけにぼーっとしていたり、無駄に吠える時間が増えたり、攻撃的な行動が見られるようになったり…。
一概には言えませんが、その症状は「認知症」かもしれません。
本記事では、認知症についてサインや生活の中でできることについてご説明します。犬の認知症ついて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
犬の認知症とは?サインはあるの?

犬の認知症は正式には認知不全症候群(Cognitive Dysfunction Syndrome, CDS)と呼ばれ、ヒトと同じように加齢に伴う脳の変化とともに徐々に認知機能が衰え、様々な行動障害が現れる病気です。
症状としては具体的には以下のようなものが例として挙げられます。
- ぼーっとして反応が鈍い
- なにもなくても吠えている時間が増えた
- 昼夜逆転して夜鳴きをする
- 同じ場所をぐるぐると徘徊している
- 性格の変化 (飼い主に無関心になる、攻撃的になる など)
- トイレの失敗の回数が増える
認知症は進行性の疾患であるため、時間の経過とともに犬に異常な行動が増えていくことが一般的です。
犬の認知症の特徴と類似疾患について

犬の認知症は10歳を超えたあたりから徐々に増加し始めます。以前は日本では柴犬などの日本犬が認知症になりやすいという見解が一般的でしたが、近年ではどんな犬種であっても年齢とともにリスクが上がるといったことが言われています。
診断としては、まずは問診で日常の様子を確認、スコア付けをし、犬の状態を確認します。
また、認知症の症状は非特異的なものも多いため、鑑別のために血液検査や尿検査、CT、MRIなどといった精密検査も組み合わせて行います。
鑑別が必要な疾患としては一例ではありますが、以下が挙げられます。
- 脳腫瘍:せん妄などによる徘徊
- 白内障、緑内障:視覚不良による徘徊
- 中耳炎、外耳炎:聴覚不良による反応の鈍化
- 膀胱炎:トイレの失敗の増加
さらに、加齢によりそもそも足腰が痛くてトイレに間に合わない、といったケースもあります。認知症なのか、病気が隠れているのか、加齢が大きな要因になっているのか、症状だけで判断するのは困難なため、気になる行動があればはやめに動物病院で相談しましょう。
症状について口で説明するのが難しい時は、動画の撮影や症状の頻度などを記録しておくと、診断の手助けになる場合があります。
愛犬が認知症になってしまったら?

認知症は脳の老化に伴う変化であるため、残念ながら治療して完治させる、ということは難しいです。ただ、予防したり、できるだけ進行を遅らせたりすることは可能です。
まず、すぐにできることとしては規則的な生活を送り、お散歩したりおもちゃで遊んだり、家族とコミュニケーションをとったりして適度な刺激を与えることがあります。
また、実際に認知症が発症してしまったあとは、犬も不安感が強くなり非常に心配な状態ですが、夜鳴きや徘徊、粗相などが続くと、飼い主さんが精神的に疲弊し、つらい状態になってしまうというケースも多く見られます。
それゆえ、認知症発症後は犬、飼い主さん両方が快適に過ごせる環境を整備していくことが最も大切です。
たとえば徘徊が問題になっている際はサークルを用意するなど、生活スペースを狭くすることで、犬の不安感が減り、飼い主さんの負担も減ります。
夜鳴きについては昼間の外出による刺激などが有効な場合もありますが、それだけではなかなか落ち着かないケースも多いので、その際は主治医の先生と相談しながら、抗不安薬などの飲み薬を併用していくのもよいでしょう。
さらに、栄養面のサポートも有効で、MCT(中鎖脂肪酸)を含むフードやサプリメントが脳のエネルギー代謝を助けることが報告されていますので、そういったものを活用していくのもひとつの選択肢になります。
まとめ

愛犬にはいつまでも楽しく元気で過ごしてほしいですが、やはり年齢は重ねていくものです。
若いころから運動を取り入れたり、新しいおもちゃで遊ぶといった刺激を受けたりということが脳の活性化に繋がるとも言われていますので、家族で楽しみながら愛犬のためにできることを探していくのがよいのではないでしょうか。
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MCTオイルが多く含まれるフードは嗜好性が落ちるという報告もありますが、本製品は実際に使用した獣医師から、嗜好性や認知症治療に対しても評価を得ているフードです。 (社内研究で11名の獣医師に調査をしたところ、75%の獣医師が6週間以内に脳の老化に伴う臨床兆候の改善を報告。嗜好性評価は10点満点中7.6点だった。)
使用をご希望の方はぜひかかりつけの動物病院にお問い合わせください。

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